手袋のパッケージを見ると、”エンボス加工”や”パウダーフリー/パウダー付き”と記載されていることがありますよね。これらの加工処理がどういう機能を持っているのか、よく分からない人も多いと思います。
しかし、実験者として実験を円滑に進めるために手袋の加工処理は知っておくべき知識です。特に、医療・医薬品業界ではパウダーフリー手袋の着用が義務付けられており、注意が必要です。
結論
エンボス加工
手袋の表面に凹凸をつける加工処理のこと。
内エンボス加工の手袋は、手のベトツキがなくなり着脱が容易になる。
外エンボス加工の手袋は、滑り止め効果を発揮するため洗い物をするときに便利。
パウダーフリー/パウダー付き
パウダーを手袋の内側につけることで、着脱がしやすくなる。
しかし、パウダーが稀にアレルギー反応を誘発するため、近年ではパウダーフリー手袋が多く使われている。
パウダーフリー手袋の多くは内側が加工されており、着脱をしやすいように工夫されているため、パウダーフリー手袋を選んでおけば問題ない。
エンボス加工
表面に凹凸を施す加工処理のことで、主にポリエチレン製の手袋に施されています。下の写真のように、表面がザラザラしています。
手袋の内側、外側にエンボス加工を施したものをそれぞれ”内エンボス加工”、”外エンボス加工”といいます。
内エンボス加工をすることで、汗などで手がベタついても着脱しやすくなります。
外エンボス加工は滑り止め効果があるので洗い物をするときに滑って落としにくくなります。
エンボス加工された手袋を使えばいいってことね!
と思うかもしれませんが、単純にエンボス加工された手袋を選べばいいというわけではありません。
エンボス加工された手袋のほとんどはポリエチレン製であり、ポリエチレン製の手袋は手にフィットしないため細かい作業に向いていません。そのため、洗い物などの滑る物を扱うときや汗でベタつく環境で作業するときにのみ使うようにしましょう。
パウダーフリー/パウダー付き
手袋のパッケージに表記されている「パウダー」とは、手袋の着脱を容易にするために塗布されているパウダーのことで、”コーンスターチ”というトウモロコシ由来の物質が使われています。
しかし、パウダーによってアレルギーが誘発される可能性があることが分かり、2016年に厚生労働省がパウダーフリー手袋へ供給を切り替えるよう通知しています。したがって、近年ではパウダーフリー手袋が多く市場に出回っています。
以上より、パウダーフリー手袋を選んでおけば問題ないでしょう。パウダーフリーによる着脱のしにくさが気になる場合は、着脱しやすいように特殊加工されているパウダーフリー手袋がありますので、そちらを選択してみましょう。
まとめ
今回は”エンボス加工”や”パウダーフリー/パウダー付き”について解説しました。
”エンボス加工”は表面に凹凸を施す処理のことで、洗い物など滑りやすいものを扱うような特定の場面で使うことができます。
”パウダーフリー/パウダー付き” は、着脱しやすいように手袋の内側に塗布されるパウダーの有無を表記しています。近年では厚生労働省からの通知の影響もあり、ほとんどパウダーフリーの手袋が使用されています。
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