フッ素樹脂は耐熱性・耐薬品性・絶縁性に優れる素材であるため、身の回りの様々な部分に使われます。
本記事ではPTFE,PFA,ETFE,PVDF等のフッ素樹脂について、それぞれの特徴と用途を紹介します。
フッ素樹脂の特性
フッ素樹脂は一般に以下の特性を有しています。
- 耐熱性 ほとんどのフッ素樹脂の融点が200 ℃以上
- 耐薬品性 ほぼ全ての薬品に対し安定
- 難燃焼性 引火点、発火点が極めて高く燃えにくい
- 非粘着性 表面エネルギーが小さく、樹脂表面に物質が粘着することはほとんどない
- 絶縁性
- 耐候性 紫外線や気候変動の影響を受けない
- 耐極低温 -100 ℃以下でも変形せず使用できる
- 低摩擦性
フッ素樹脂の種類
フッ素樹脂の種類は以下のとおりです。
炭素鎖を主骨格に、フッ素原子などが結合することでフッ素樹脂の分子構造が構成されています。
種類ごとの特性
1930年代に米国のデュポン社で開発されたPTFEを皮切りに、様々な特性を持つフッ素樹脂が開発されてきました。
フッ素樹脂の原料
フッ素樹脂を含むフッ化物は、フッ化カルシウムを主成分とする“蛍石“から製造されます。
蛍石は中国が世界の生産量の約7割を占めており、日本も蛍石の大部分を中国から輸入しています。
しかし、蛍石を利用するとフッ素を含んだ廃スラグが発生するため、近年では環境規制の観点から蛍石の輸入量は減少し、代わりにフッ化水素が輸入されフッ化物の製造原料に使用されています。
フッ化水素の主な輸入先も中国です。
蛍石もフッ化水素も中国の輸入に頼りきっていますが、本記事執筆時点では資源量が潤沢なため他の樹脂に比べて価格変動は小さいです。
まとめ
フッ素樹脂の種類とそれぞれの特性について解説しました。
フッ素樹脂はその優れた特性で様々な機器や部品に使用されています。
一方、PPやPVCなどの汎用樹脂に比べると、成形加工が難しい分フッ素樹脂の価格は高いです。
コメント