【化学防護服】 適切な選び方は? 種類と用途を徹底解説

保護具
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 化学防護服とは、薬品や粉塵などの特定の危険有害因子 (ハザード) から身体を防護するために着用する服のことです。有害物質の暴露から体全体を守る重要な保護具ですので、扱う有害物質に合った化学防護服を選ばなければいけません。

 そこで、本記事では用途に応じてどんな種類の化学防護服を着用すれば良いかを解説します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

結論

  • ガスや蒸気状態の有害化学物質が発生する作業環境では気密服もしくは陽圧服を着用する
  • 液体や粉塵状態の有害化学物質が発生する作業環境では密閉服を着用する

化学防護服とは?

化学防護服の例

 化学防護服とは、薬品や粉塵等の有害化学物質を取り扱う際に、有害化学物質が暴露するリスクのある環境で着用が求められる防護服のことです。

JIS規格による化学防護服の分類

 化学防護服はJIS規格によって規格化されています。以下の分類表のとおり、化学防護服は”全身化学防護服”と”部分化学防護服”に大別されます。本記事では、 ”全身化学防護服” に焦点を当てて解説していきます。

引用元:JIS T 8115 2r9852000002sj92.pdf (mhlw.go.jp)

部分化学防護服とは、エプロンや実験白衣などの身体の一部分を保護する化学防護服のことです。
気になる方は別記事をご覧ください。

化学防護服の機能

 ”気密服”、”陽圧服”、”密閉服”の3つの機能に大別されます。

気密服

引用元:株式会社モリタテクノス protection_catalog.pdf (morita-technos.com)

 防護服内部を気密状態に保つため、気体・液体・固体のいかなる有害化学物質も防護することができます。そのため、高い防護性能を要求する蒸気・ガスを取り扱う環境で使われます。気密状態を保つために呼吸器が付属されているので、防護服が重たく作業性は低下します。

陽圧服

引用元:株式会社モリタテクノス protection_catalog.pdf (morita-technos.com)

 防護服内部に空気を供給し、内部を陽圧にすることで、気体・液体・固体のいかなる有害化学物質も防護することができます。気密服と同じく、高い防護性能を要求する蒸気・ガスを取り扱う環境で使われます。しかし、外部から空気を供給するチューブが取り付けられているので、作業できる範囲が限られることがあります。

密閉服

引用元:株式会社モリタテクノス protection_catalog.pdf (morita-technos.com)

 防護服内部を密閉状態にしており、気密服や陽圧服ほど防護性能は高くありません。気体は防護服内部に侵入する可能性があり、液体・固体の有害化学物質を防護対象にしています液体・スプレー・浮遊粉塵・ミストを取り扱う環境で使われます。 気密服や陽圧服と比べると付属品が少ないので、防護服は軽く作業性は良いです。

まとめ

 本記事では化学防護服の種類と作業環境に適する化学防護服の解説をしました。化学防護服は防護性能を高める一方で、作業性を犠牲にします。作業環境の危険性をリスクアセスメントし、適切な化学防護服を選択することが大事です。リスクアセスメントについて、別記事で解説していますので、是非そちらもご覧ください。

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